有機種子のこと

2023/02/17 有機種子のこと

有機種子の現状

日本ではまだあまりなじみのない有機種子ですが、欧米では、有機栽培を行い有機農産物に有機認証マークを付して販売する場合、その栽培において有機種子を使用することが厳しく定められています。

有機種子の現状

ヨーロッパでは「有機栽培の根幹は、有機種子の使用にある」とし、有機種子の生産者のデータをEU加盟国間で共有し、リスト化しています。有機農産物生産者は、そのリストから有機種子の生産者にアクセスし、有機種子を入手するシステムになっています。
米国でも有機種子生産者のリスト化が進められていますが、まだその数は少ないため、リスト内から希望する有機種子を入手できない場合、特定の基準※1を満たせば移行措置として、有機種子以外の種子を使用する許可が下りる仕組みになっています。

さて、日本はというと、JASから有機農産物と認定されるには、農薬や化学肥料、遺伝子組換についての基準は厳しく規定されていますが「栽培に使用する種子が有機かどうか」については曖昧な規定しかありません。というのも、日本では有機種子の供給が間に合っておらず、有機種子生産者のリストなどが不十分なため、ほとんどの有機栽培において有機種子を使用することが困難な状況です。

欧米のように、有機種子のニードを顕在化させ有機種子が市場に存在するようになれば、有機栽培生産者が有機種子を手に入れる環境は整備されていきます。
そうすれば、有機農作物の認定基準に有機種子の使用を義務づける環境も整うので、有機種子を使った本来の有機農業が可能になると言えるでしょう。

※1:http://ec.europa.eu/agriculture/organic/eu-policy/legislation_en
以下を説明・提出することにより、非有機種子の使用が認められる:
  • 使用法、品質、使用量における非有機種子の使用の正当性。
  • 管理実行に必要な農業面、市場面での地域的特徴の説明。
  • 最低3件の有機種子供給者へ問い合せ、有機種子の入手に努めたという書面での証明。
    (手紙、ファックス、電子メール、電話履歴などを含む)
  • 有機種子と非有機種子のテスト比較の書面での説明。


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