有機種子のこと

2023/02/17 有機種子のこと

タネにもいろいろあるんです(F1種・固定種)

種には、その生産過程において、有機種子と有機でない種子という区分が存在しますが、もう一つの区分が存在します。固定種とF1種、という違いです。
固定種とは、親から子・子から孫へと代々同じ形質が受け継がれている種で、形質(味や形) が固定されたものが育ちます。昔から続く在来種や伝来種は固定種のタイプです。
固定種は、自然淘汰のみで生まれた種と、人間が母本選抜を行いながら生まれた種が存在します。
現代ではあまり使用されなくなってきたタイプの種です。

F1種・固定種

一方、急速に普及が進んでいるのがF1種子(Filial 1 hybrid)、と呼ばれる種子で、直訳すれば”1世代交配”となり、一代雑種やハイブリッド種とも呼ばれます。
異なる親を交配させることで、次に生まれた子(第一世代の種)が必ず一定の形質を持つという種子です。異なる特性を持つ親を人為的に掛け合わすことができるので、生産量アップや食味の改善が進めやすいことから、現代最も多く使用されているタイプの種です。(遺伝子組換処理ではありません。)
有機種子の多くは、自然と環境を守るという有機栽培の基本的な目的から、固定種がたくさん存在しますが、F1種の有機種子も普及が広がりつつありあります。

固定種のメリット

1.F1種に比べ、発芽の揃い・生育の揃いが悪いが、それゆえ収穫期がずれるので長期にわたって収穫を楽しめる。
2.味にそれぞれ特長やクセのあるものが多く、野菜本来の独特の味わいが楽しめる。
3.F1種に比べ、環境適応能力が一般に高い。
4.種の自家採取が可能なので、循環型の持続可能な農業が実践できる。(種を何度も買わずに済む。)


F1種のメリット

1.発芽の揃い・生育の揃いが良いので市場で出荷しやすい。
2.耐病性の品種など、常に改良されているので、特定の病気を避けやすい。
3.品種改良されているので、一般に味にクセがなく食べやすい。
F1種、固定種、とそれぞれ特徴がありますが、好みに合わせていろいろな野菜作りを楽しんでみるといいですね!


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